2013年11月号 [Vol.24 No.8] 通巻第276号 201311_276004

「自転車de発電」、つくばのショッピングモールで大活躍! (進化を遂げたCGER発自転車発電システム)

地球環境研究センター 主幹 広兼克憲

2013年9月21日(土)〜23日(月)の3連休に、地元つくばのショッピングモール・イーアスつくばで、「グリーンパワーフェスティバル2013」が開催されました。このイベントは、東日本大震災以降、一層注目が高まった再生可能エネルギーの普及を目的としたイベントです。国立環境研究所はイーアスつくばからの要請を受け、3日間にわたり、「自転車 de 発電」を出展しました。これは、自転車をこいで発電機を回し、その電力で家電製品を動かす体験型イベントです。発電がどれほど大変かを自ら実感し、同時に電気をはじめとするエネルギーのありがたさ・大切さを知ってもらうことが目的です。

3連休の間、子どもたちを中心として、多くの方々にこの体験イベントに参加いただき、エネルギーの大切さと地球温暖化防止についての理解を深めていただくことができました。

体験終了後にスタッフが「自転車で電気を起こすことは?」と質問すると「大変です。」という答えが、さらに「あなたは誰も見ていないテレビをどうしますか?」と聞くと「スイッチを消します!」と必ず返ってきました。作戦は大成功です。

photo. 自転車発電

イベントでの自転車発電の様子

photo. 自転車発電

この「自転車 de 発電」プロジェクトは、7年前、地球環境研究センターの研究者をはじめとする有志が「自転車発電研究会」を立ち上げ、インターネットなどから情報を集め、廃品を利用した初代システムを組み立てたところから始まりました。初代システムは、廃車になった軽自動車のダイナモ(発電機)、地球環境研究センター共用のいわゆるママチャリ自転車、ダイオード回路によるコンバータ、自転車ライト用のダイナモ、車のシガーライタソケット用インバータ、研究会会長が学生時代愛用していたというブラウン管型テレビ(43W)を組み合わせたもので、大人がかなり頑張れば、一瞬だけテレビが見られるというものでした。

その後、この自転車発電システムが研究所一般公開の定番人気体験イベントとなり、つくば内の小中学校への出前授業等で大活躍したのち、茨城県を飛び出して東京、名古屋、京都、北海道と全国イベント行脚をするようになりました。テレビニュース、生放送テレビ番組、ラジオ番組に何回も出演し、新聞等でも紹介されました。

自転車発電体験は未就学の小さい子どもさんにも大人気なため、自転車のダイナモと子ども用自転車を用いたミニ自転車発電システムも開発されました。

そして、今では、小型風力発電用に開発された市販の高効率発電機と本格的変速機を搭載したクロスバイクを組み合わせて、小さい力で大きな電力が得られる新システムとなりました。

photo. 連結部分

発電機・自転車の連結部分

これら自転車発電システムは歴代の環境大臣も体験・視察されており、石原伸晃環境大臣も東京のイベントで子どもたちが体験しているのをご覧になり、「これはわかりやすいね」と感心されていました。その他、お名前は書けませんが、多くの有名人にも体験いただいています。

地球環境研究センターでは、研究だけでなく、環境保全の意義や地球温暖化防止の取り組みを様々な方法で理解するツール開発にも力を入れていきたいと思います。

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