2013年12月号 [Vol.24 No.9] 通巻第277号 201312_277009

【最近の研究成果】 近隣街区の持続可能性評価の実態の分析:米国、英国、日本の都市のケーススタディ

地球環境研究センター GCP国際オフィス 事務局長 SHARIFI Ayyoob(シャリフィ・アユーブ)

本研究では、近隣街区の持続可能性評価の実態を理解し、評価ツールの特徴を明らかにするために、建築物の総合的な環境性能を評価する指標であるLEED-ND(米国)、BREEAM Communities(英国)、CASBEE-UD(日本)においてそれぞれ高く評価された3つの事例の分析を行った。分析対象として選定したのは、Hoyt Yards(ポートランド都心部のPearl Districtに位置するブラウンフィールド再開発事業;LEED-NDのプラチナ評価を獲得)、MediaCityUK(マンチェスター造船所跡地を再整備する大規模事業の一部;BREEAM CommunitiesのExcellent評価を獲得)、越谷レイクタウン(CASBEE-UDのExcellent評価を獲得)である。本分析により、評価の実践では、例えば越谷レイクタウンの例では、公共スペースが偏在するなどの短所が明らかになり、さまざまな評価の軸が必要になることがわかった。

fig.

越谷レイクタウンの都市計画用途の状況。CASBEEでの評価は高いが、各用途が分離されている点が、用途の混合を評価するLEEDから低い評価となることが明らかになった

この論文は、前所属の名古屋大大学院においてすすめたGCPのイニシアティブ(URCM)の研究成果をまとめたものです。

本研究の論文情報

Neighborhood Sustainability Assessment in Action: Cross-Evaluation of Three Assessment Systems and Their Cases from the US, the UK, and Japan
著者: Sharifi A., Murayama A.
掲載誌: Building and Environment, (2013) DOI: 10.1016/j.buildenv.2013.11.006

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