2014年5月号 [Vol.25 No.2] 通巻第282号 201405_282007
酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 5 再生可能エネルギー —3R・低炭素社会検定より—
3R・低炭素社会検定は、持続可能な社会の実現のため、3Rや低炭素社会に関する知識を活かして、実践行動を行う人を育てることを目的としています。【3R・低炭素社会検定 低炭素社会分野試験問題解説集「はしがき」より】
検定試験問題から出題します。
問10太陽光発電の説明として、最も適切なものはどれか?
初級レベル
正答率 86%
- ① 太陽光のエネルギーを回転力に変換し、発電機を駆動して発電を行う
- ② 植物の光合成により生産されたバイオマスを利用して発電を行う
- ③ 太陽熱を給湯、暖房、冷房などの用途に利用する
- ④ 太陽電池によって太陽エネルギーを直接電気に変換して発電を行う
- ヒント
- 太陽光発電は半導体を使い、光エネルギーを電子に吸収させて、電流として取り出しています。
- 答えと解説
-
答え: ④
太陽光発電は、太陽光パネルにより光エネルギーを光起電力効果により直接的に電気エネルギーに変換します。この電気は直流なので、インバーター装置により交流に変換して使用します。
太陽エネルギーを利用する方法としては、太陽光発電の他、太陽熱としてエネルギーを取り出し給湯に使う「太陽熱温水器、ソーラーシステム」などがあります。
問11化石燃料や再生可能エネルギーの特性として、最も不適切なものはどれか?
中級レベル
正答率 75%
- ① 化石資源は枯渇性で有限であるが、再生可能エネルギーは非枯渇性でほぼ無限である
- ② 再生可能エネルギー資源は化石燃料資源と比較すると、特定の地域に集中して偏在していることが多い
- ③ 現時点における再生可能エネルギーの導入コストは化石燃料と比較して高いものが多い
- ④ 太陽光発電や風力発電は気象や季節などで変動する性質のものである
- ヒント
- 再生可能エネルギーは比較的どこにでも存在し、ほぼ無限です。
- 答えと解説
-
答え: ②
化石燃料は、石油が中東地域に偏在しているなど、資源による偏在性があります。一方、再生可能エネルギーは、太陽光や風など、さまざまな形で少量ずつ存在し、地域による偏在が比較的少ないことが特徴です。また、太陽光や風力は、天候や季節によっても変動するという特徴があり、一日の中でも変動があります。価格については、現在は一般的に化石燃料に比べて再生可能エネルギーは高いのですが、量産効果と技術の進歩で年々、価格差は小さくなっています。
問12電力固定価格買取制度の説明として、最も不適切なものはどれか?
上級レベル
正答率 49%
- ① 日本では2009年に太陽光発電に対して導入された
- ② 再生可能エネルギー起源で発電された電気を一定価格で買い取る制度である
- ③ RPS制度とも呼ばれる
- ④ この制度の導入により、ドイツやスペインは再生可能エネルギーの導入が促進された
- ヒント
- 電力固定価格買取制度はフィード・イン・タリフ(Feed-in Tariff: FIT)と呼ばれています。
- 答えと解説
-
答え: ③
電力固定価格買取制度は、再生可能エネルギー普及施策の一種で、政府が定めた価格で買い取る制度です。2009年より太陽光発電の買い取り制度が導入され、その後、2012年には、太陽光発電以外の再生可能エネルギー(風力発電、バイオマス発電など)に対する電力固定価格買取制度も導入されました。電力固定価格買取制度の英語名はFeed-in Tariffであり、FITと略されています。RPS制度は、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」に由来し、Renewable Portfolio Standardの略称です。日本では、FIT制度の前は、RPS制度で再生可能エネルギーの導入促進をしていましたが、期待された導入が進まなかったことから、FIT制度が導入されました。
- *正答率は第5回3R・低炭素社会検定受験者のものです
- 出典:3R・低炭素社会検定(http://www.3r-teitanso.jp)低炭素社会分野試験問題解説集
再生可能エネルギーについては、「ICUE 2014へのGCPつくば国際オフィスの貢献」でも紹介しています。