2015年7月号 [Vol.26 No.4] 通巻第296号 201507_296004

酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 19 低炭素社会(その3) —3R・低炭素社会検定より—

  • 地球環境研究センターニュース編集局

【連載】酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 一覧ページへ

3R・低炭素社会検定は、持続可能な社会の実現のため、3Rや低炭素社会に関する知識を活かして、実践行動を行う人を育てることを目的としています。【3R・低炭素社会検定 低炭素社会分野試験問題解説集「はしがき」より】

検定試験問題から出題します。

問55下に示した統一省エネラベルの説明として、最も不適切なものはどれか?

中級レベル

正答率 82%

  • この製品の省エネ性能は、既存製品との比較、使用エネルギー量および電力料金など、複数の評価方法で記載されている
  • 製品の省エネ性能は、高い順から低い順に、1つ星から5つ星で表示されている
  • ここで示されている省エネ性能の基準値(達成率100%)は、省エネ法のトップランナー方式の基準値である
  • この製品を1年間使用した場合、年間電力料金の目安は9,240円である
fig
ヒント
トップランナー方式をもとに作成されていて、星の数が多いほど省エネ性能に優れています。
答えと解説

答え: ②

統一省エネラベルは省エネ法に基づき、小売事業者が省エネ性能の評価や省エネラベル(「e」のマークと省エネ基準達成率、年間消費電力量の記載がある部分)等を表示する制度です。

ここで示されている省エネ性能の基準値(達成率100%)は、省エネ法のトップランナー方式の基準値です。省エネ性能を5段階の☆で表示しており、星5つが最も性能の高い製品になります。

なお、基準達成していれば「e」のマークが緑色、達成していなければオレンジ色になります。

  • *正答率は第6回3R・低炭素社会検定受験者のものです

問56家庭でできる温暖化対策としては、エネルギー使用量の大きな分野の対策が有効である。次の用途別分野でCO2排出量の多い順番(全国平均値の順番)について、最も適切なものはどれか?

上級レベル

正答率 30%

  • 照明・家電製品 > 冷房 > 暖房
  • 照明・家電製品 > 暖房 > 冷房
  • 暖房 > 照明・家電製品 > 冷房
  • 冷房 > 照明・家電製品 > 暖房
ヒント
家庭においては年間を通すと冷房用途の占める割合はかなり小さくなります。
答えと解説

答え: ②

図は家庭における世帯当たりのCO2排出量(用途別、2011年度)を示したものです。1990年以降、家電製品の多様化・大型化により電力消費に伴う排出が増えており、その割合も増加しています。自動車を除くと、照明・家電製品による排出が大きく、暖房、給湯が続きます。地域などの条件にもよりますが、日本の一般的な家庭では、夏季の冷房時期がそれほど長くないこともあり、暖房に比べると冷房の占める割合はかなり小さくなります。

fig

家庭からのCO2排出量(用途別) (出典)国立環境研究所GIOデータより作成

  • *正答率は第6回3R・低炭素社会検定受験者のものです

問57一般的な住宅において、熱の出入りが最も大きい箇所として最も適切なものはどれか?

初級レベル

正答率 85%

  • 窓(開口部)
  • 屋根
  • 外壁
ヒント
断熱シートを貼る、カーテンを閉めるといった簡単な対策でもある程度の熱の出入りを防ぐことができる箇所です。
答えと解説

答え: ①

住宅における熱の出入りは、窓(開口部)からが最も大きくなっています(下図参照)。したがって、冷暖房機器を使用する場合は、なるべく窓から暖かい(冷たい)空気を逃がさない工夫をすることが重要になってきます。例としては、カーテンを閉める、窓用断熱シートを貼るなど簡易な対策と二重窓を設置するというリフォーム時の対策があります。

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住宅における熱の出入り(冬期・夏期) (出典)社団法人日本建材・住宅設備産業協会より作成

  • *正答率は第6回3R・低炭素社会検定受験者のものです

問58ガソリン1Lを燃焼したときに発生するCO2の量が2.3kgであるとき、燃料消費率12km/Lの自動車で10km走行した際に排出されるCO2の量として、最も近いものはどれか?

初級レベル

正答率 85%

  • 0.2 kg
  • 0.3 kg
  • 2 kg
  • 3 kg
ヒント
ガソリン1L弱消費しています。
答えと解説

答え: ③

計算の前提条件として、燃料消費率12km/Lの自動車とは、ガソリン1リットル(L)を燃焼して12km走る車を表しております。その車が10km走ったということは、ガソリンを約0.83L燃やして10km走ったことになります。次に、ガソリンを1L燃やすとCO2は2.3kg-CO2排出されますので、ガソリンを約0.83L燃やして10km走った車は、

0.83 L × 2.3 kg-CO2 = 1.909 kg-CO2

およそ2kgのCO2を排出したことになります。

  • *正答率は第5回3R・低炭素社会検定受験者のものです
  • 出典:3R・低炭素社会検定(http://www.3r-teitanso.jp)低炭素社会分野試験問題解説集

低炭素社会については、「Future Earthに向けてのGCPの新たな研究計画」でも紹介しています。

目次:2015年7月号 [Vol.26 No.4] 通巻第296号

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