2017年6月3日（土）、4日（日）に東京・代々木公園で開催されたエコライフ・フェア2017に国立環境研究所（以下、国環研）も参加し、研究内容の紹介や老若男女に人気なヘラクレスオオカブトなどさまざまな昆虫の展示、地球温暖化問題の解説などを行いました。その様子をダイジェストでご紹介します。

今年は新しい試みがいっぱい！

地球環境問題をテーマとしたエコライフ・フェアの出展として、地球温暖化対策の解説パネルや、地球温暖化の身近な影響に関するアンケート、環境省・宇宙航空研究開発機構（JAXA）と連携したGOSATスタンプラリーなど、新しい試みを行いました。

Episode 1 関環境副大臣、「いぶき」のスタンプラリーに参加

環境省・JAXA・国環研は温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」のプロジェクトで協力関係にあります。そこでエコライフ・フェア2017でも各出展ブース間で連携したスタンプラリーを行いました。国環研では「いぶき」が初めて明らかにした全球の二酸化炭素濃度推移を、環境省・JAXAではこれを含むさまざまな「いぶき」のデータをそれぞれ展示しました。これら両方を見てくださった方（スタンプラリーを完成させた方）には「いぶき」オリジナル木製しおりを差し上げました。

3日（土）には関芳弘環境副大臣もブースを訪れてくださいました。

写真1いぶきスタンプラリーシートにスタンプを押す関芳弘環境副大臣（右）

写真2環境省・JAXAと連携したスタンプラリーに参加する来場者

Episode 2 北方の氷床の危機をバーチャルリアリティーで実感

世界で温暖化の影響が進行しつつあります。それを東京にいながら皆さんに体験してもらいたい！ この想いから、地球温暖化の影響の一例をバーチャルリアリティー（VR）で体験していただけるようにしました。来場者には、アイスランド付近で融解が進みつつある陸氷の映像を特殊なゴーグルを装着してご覧いただきました。体験者は上を向いたり、ぐるっと回ったりして、360°のパノラマ映像を楽しまれていました。

写真3ゴーグルを装着しアイスランドの氷床の様子をリアル体験

Episode 3 新作パネルで地球温暖化対策を身近にわかりやすく

写真4新しく制作したパネルを説明するペンギンに扮したスタッフ

今回は、エコライフ・フェア2017のテーマ「パリ協定発効！ キミの「賢い選択」が地球の未来を切り拓く！！」に沿ったパネルを作成しました。地球温暖化の現状・影響・対策について、一般の方にわかりやすい内容で公開・説明しました。ご来場の皆さんも熱心に解説を聞いていただきました。

Episode 4 〜あなたが感じる気候変動〜 ここがヘンだよ！？ 日本列島

写真5フリップを使って道ゆく人に温暖化に関するアンケートを実施

地球温暖化にともなう気候変動をどれだけ市民の皆さんが実感しているか？ フリップを使ってアンケートしてみました。具体的には (1) 夏の暑さ、(2) 桜の開花、(3) 雨の降り方や台風、(4) 雪の降り方のうち、最近特にヘンだと思っているものが何かを示してもらいました。

その結果、暑い夏を感じる方と、雨の降り方や台風がこれまでと違うと思われる方がその他の2つよりも多いという結果が出ました。これは東京以外で行うとまた違う結果になるのかもしれません。

写真6多くの方々で賑わう国環研の展示テント

最後に

今年のエコライフ・フェアはいい天気に恵まれ、多くの方に研究所の活動を知っていただく機会となりました。しかし、短い時間で多くの皆さんに環境問題について考えていただき、興味をもってもらうためには、様々な工夫が要るということもわかりました。これからも努力を続けていきたいと思います。