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中核研究プロジェクト4 脱温暖化社会の実現に向けたビジョンの構築と対策の統合評価

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〔平成19年度の成果の紹介〕

 将来の気候安定化に向けて、2013年以降の国際的取り組み、2050年を視野に入れた脱温暖化社会の実現、そして長期的な気候の安定化目標といった、さまざまな議論が現在行われています。本プロジェクトは、これらの課題に対して、温暖化対策を総合的に評価し、情報を提供しています。
国際情勢の動向

低炭素社会実現のために、重要なことは何か?

 低炭素社会の実現には、先進国・途上国の双方が、ライフスタイルにおいても行動においても、目に見えるような大きな変革を行うことが必要となります。そのとき、われわれ一人ひとりの、あるいは集団での行動が、地球環境のさまざまな局面において大きな影響力をもつという認識を高めることは、非常に重要です。第3回日英共同研究プロジェクト「持続可能な低炭素社会の達成に向けて」ワークショップ(2008年2月に東京で開催)では、世界18カ国から総勢80名におよぶ研究者、政策立案者、産業界からの専門家らが4つのテーマについて話し合い、主要なメッセージを導き出しました。この成果を最終日のシンポジウムで約200名の聴衆に報告し、その前後で二酸化炭素の排出削減可能性についてアンケートをとったところ、報告後には「さらなる削減が可能」と判断した参加者が報告前に比べて増えました。現在はさらに、「いつ、誰が、どこで」対策を行えばより効果的に削減を実現できるかの検討を進めています。

二酸化炭素の排出削減可能性についてアンケート結果

気候変動政策を目的とした2013年以降の国際的枠組みとは?

 京都議定書は2008〜2012年の排出抑制目標だけを定めており、2013年以降の削減に関しては、2009年末での合意を目指して交渉することが2007年末のバリ会合(COP13)にて決定されました。10年前の京都議定書交渉時とは違い、気候変動枠組条約(UNFCCC)や京都議定書などが位置づけられている国連以外にも、欧州域内排出量取引(EU/ETS)や米国の州レベル排出量取引制度、G8等多様なフォーラムが共存しており、その適切な役割分担が成功の鍵といえます。

交渉プロセスの多様化

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交渉プロセスの多様化

温暖化対策の定量的評価

 中国、米国、インド、EU、ロシアの上位5地域の温室効果ガス(GHG)削減ポテンシャルは世界全体の約6割を占め、アフリカ、南米、中東、ブラジル、南アジアを加えた上位10地域で世界全体の削減量の約8割に相当します。各地域の社会・経済活動の特徴によって対策が重要な部門の特徴も異なりますが、発電部門および産業部門が世界全体の削減量の約5〜6割を占め、特に、エネルギー効率の低い新興国・途上国において、その傾向が顕著です。民生家庭・業務、運輸部門がそれぞれ世界の約1割程度、非CO2部門(農畜産、廃棄物、フロンガス排出部門)が世界の約2割程度を占めています。

2020年の部門別削減ポテンシャル〜国/地域別&部門別の比較〜

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2020年の部門別削減ポテンシャル〜国/地域別&部門別の比較〜
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