土地被覆・植生分類データセット
京都議定書における吸収源活動は、土地利用(Land Use)の変化を伴うと定義されており、その活動を適切に評価・予測するためには、出来る限り正確な土地利用分類データを用いることが必要となります。しかしながら、衛星データ等のリモートセンシングデータから得られる情報は基本的に土地被覆(Land Cover)であり、土地利用を正確に評価するためには、現地検証情報、国毎の統計データなどの付加情報が必要となることに注意が必要です。 現在、各国・機関では、全球を対象とした様々な土地被覆・植生分類に関するデータセットが提供しています。これらのデータセットは、利用データ、分類方法、分類クラス、検証方法が異なっており、土地被覆の分類結果も地域によっては大きな差異を生じています。この結果、生態系モデル、炭素循環モデルなどの入力データに異なるデータセットを用いた場合には、出力結果にも大きな影響を及ぼすことが知られています (→モデル研究成果参照)。 しかし、現時点では国際的に標準化された土地被覆データセットは完成しておらず、利用にあたっては、各データセットの特徴および不確実性を理解した上で、目的に応じたデータセットを利用する必要があります。 以下では、衛星データをベースとして作成された全球データセットのうち、世界的に利用されているデータセットを紹介します。なお、各データセットは無償にて提供されていますが、データの利用権利・著作権は各データセットの提供機関にてご確認ください。
Global Land Cover Characteristics Data Base Version 2.0(IGBP ver 2.0)米国地質調査所(USGS)のEROSデータセンターとネブラスカ-リンカーン大学(UNL)および欧州の共同研究所(JRC)の主導により作成された、全球土地被覆データセットである。1992~1993年のNOAA/AVHRRデータを利用しNDVIの変動パターンにより分類を行っている。現在は、Version 2.0が提供されている。本データセットの土地被覆分類区分はIGBPの17クラスを基本としているが、複数のモデルおよび研究における共通のデータセットとして利用されることを想定しており、以下の複数の分類区分に対応している。
参考 IGBP土地被覆分類区分
本データセットの詳細な情報、データの入手方法は以下をご参照ください。(http://edcsns17.cr.usgs.gov/glcc/) (▲このページのTOPへ戻る) Maryland大学・NOAA・AVHRR土地被覆データセット(UMD) USGSデータセットと同様に、1992年~1993年のNOAA/AVHRRデータを用いて作成された土地被覆データセットである。本データセットではIGBP-DISの区分を簡素化した14区分の土地被覆分類区分を設定しており、1度メッシュ、8kmメッシュ、1kmメッシュの異なる3つのスケールのデータセットを提供している。 本データセットの詳細な情報、データの入手方法は以下をご参照ください。(http://glcf.umiacs.umd.edu/data/landcover/) 参考:Maryland大学・NOAA・AVHRR森林被覆率データセット (森林被覆率) (常緑樹・落葉樹、針葉樹・広葉樹の区分) 本データセットの詳細な情報、データの入手方法は以下をご参照ください。 (▲このページのTOPへ戻る) Global Land Cover 2000 (GLC2000) 同データセットは、1999年11月1日から2000年12月1日に観測されたSPOT/Vegetationデータ(空間分解能1km)を用いて作成された、グローバル土地被覆データセットである。本データセットの作成には、世界約30期間が参加しており、FAOのLand Cover Classification System(LCCS)に基づく土地被覆分類区分が採用されている。 本データセットの詳細な情報、データの入手方法は以下をご参照ください。(http://www.gvm.jrc.it/glc2000/) また、本データセットにて用いている土地被覆区分である「LCCS」の詳細については、以下をご参照ください。(http://www.fao.org/documents/show_cdr.asp?url_file=/DOCREP/003/X0596E/X0596e00.htm) (▲このページのTOPへ戻る) MODIS MOD12 Land Cover and Land Cover Dynamics(MODIS) 同データセットは、2000年10月から2001年10月に観測されたTerra/MODISデータにより作成された土地被覆データセット(空間分解能1km)である。土地被覆分類区分はIGBPの17クラスに基づいているが、UMDや他の陸域MODISプロダクトにて利用されている、LAI/fPAR Biomes、BGC Biomesでも提供されている。本データセットは、定期的に更新される予定であり、最新の土地被覆情報が得られる利点がある。 本データセットの詳細な情報、データの入手方法は以下をご参照ください。(http://geography.bu.edu/landcover/userguidelc/) (▲このページのTOPへ戻る) |
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