GPG-LULUCFにおける吸収量算定方式

 

Introduction

 GPG-LULUCFは、LULUCF分野における条約に基づく目録作成及び報告のためのグッドプラクティスガイダンスを提供するとともに、京都議定書の3条3項(ARD)、3条4項(RV、FM、CM、GM)、6条(JI)、12条(CDM)の基でのLULUCF活動からの炭素蓄積変化と温室効果ガス排出に関する推定・測定・モニタリング・報告のための補足的な手法とグッドプラクティスガイダンスも提供するものです。GPG-LULUCFは、温室効果ガス排出・吸収推定のためのIPCCガイドラインに置き換わるものではなく、IPCCガイドラインと一貫性のある助言を提供しています。

 GPG-LULUCFは、明らかな過大評価や過小評価がなく、実際的に可能な程度に不確実性が低減されたLULUCF分野の目録作成を支援しています。また、透明性が高く、明文化され、時間的に一貫性があり、完全で、比較可能であり、不確実性が評価され、品質管理・品質保証がなされ、資源利用において効率性の高い目録の開発を支援しています。

 GPG-LULUCFは、2003年の第21回IPCC全体会合において採択され、同年のCOP9において「歓迎(welcome)」されました。条約の附属書I国は、2005年以降の条約報告において、GPG-LULUCFを利用すべきであるとされました。また、京都議定書報告に関する部分(第4章)については、COP10において、第一約束期間の京都議定書報告にマラケシュ合意等と整合性を保ちつつGPG-LULUCF第4章を適用することを規定するCOP/MOP1決定案が作成されました。

 GPG-LULUCFは、以下に示す構成となっています。

第1章 概要

 1996年ガイドラインとの関係やGPG-LULUCFのアウトライン等を示しています。

第2章 土地地域の一貫した説明のための基礎

 土地利用変化についての報告に関連して、土地利用変化の抽出手法やデータ収集方法について説明しています。

第3章 LUCF分野のグッドプラクティスガイダンス

 森林、農地等、各土地利用カテゴリーについて、温室効果ガスの吸収量・排出量の算定及び報告の方法をまとめています。

第4章 京都議定書から生じる補助的手法とグッドプラクティスガイダンス

 京都議定書に対応して行う吸収量・排出量の算定及び報告に関する手法とガイダンスをまとめています。具体的には、京都議定書3条3項にある新規植林・再植林・森林減少、及び3条4項にある追加的な人為的活動に関するガイダンスと、「LULUCFプロジェクト」(新規植林・再植林を対象としたJIとCDM)に関するガイダンスを作成しています。

第5章 分野横断的な問題

 吸収量・排出量の算定及び報告にあたっての共通する課題として、不確実性の定量化やサンプリング、キーカテゴリーの抽出方法、品質保証と品質管理(QA/QC)、検証等について整理しています。

 以下では、条約に基づく国家目録と京都議定書に関する補助的情報について、GPG-LULUCFに示された温室効果ガス排出量及び吸収量の推定と報告のステップの概要と、主なポイントについてまとめています。

 なお、GPG-LULUCFの全文は、IPCC-NGGIPのウェブサイトで公開されています。
 
http://www.ipcc-nggip.iges.or.jp/public/gpglulucf/gpglulucf_contents.htm

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