CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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適切な解説をしてくださった江守正多地球システム領域副領域長。八代:たくさん計算して、結果がどんどんばらつく場合は、もっとたくさん編集局:それはつまり、計算結果が標準偏差(図2)のグラフの「山」のようながrobustということに関係すると思うのですけれど、どのくらい変わるとrobustになるのでしょうか。そういう目安とか、計算方法とか、理論とかがあるのかな、と考えてはいるのですが。やらないと、どれが正しいかわかりませんよね。でも、たくさん計算して、その結果がだんだん数として収束してくると、そのくらいの範囲に収まるということがわかってくる。 たとえば降水量だけ見て、100回計算して、だいたい平均値が100mm降るというところに収まったら、より確からしいってことになりますよね。でも、100回やっても、1000mmから0mmまでどれもランダムで降るようだと、何回やっても「あ、わかりませんね」っていうことになる。形、理想的には正規分布図(図3)みたいな形で出てくるということですか。八代:はい。編集局:なるほど。そうすると、何が八代:予報の確からしさとして、たとえば、ランダムに、100mm降るのかどうかもわからないという結果になったら、天気予報する側からいえば、「なんだかわかりません」ということしかいえない。でも、標準偏差の正規分布に近い形になったら、100mm降るのが一番確からしいので、自信をもって「100mm降りそうだ」といえることになります。いえるのでしょうか。

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