CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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八代主任研究員には専門的な内容をわかりやすく解説していただきました。編集局:アンサンブルの初期値は今回どのくらい設定したのでしょうか。八代:1000通りくらいです。そして、今回のアンサンブルデータ同化では、アンサンブルの扱い方にも工夫をしています。どうやって扱っているかというと、天気予報を行って、その結果、6時間後の結果が、このくらいばらつくという情報をそのまま使うのではなくて、そのばらつきの情報を、データ同化に使ったのです。編集局:初期値を入れて計算したものは、ばらつきますよね、そのばらつきを、つまり、どうしたのですか。(「ばらつきの『情報』っていったい何!?」説明を聞きながら、編集局の頭は再び真っ白になりました。)けれども、それでも天気予報として、明日の天気だけでなく明後日の天気、さらに3日後の天気も当たるようにするには、まだやれることがあるということが、今、多くの人たちが研究し続けていることなんです。 (ローレンツの方程式によって、予測には原理的な限界があるということがわかっていても、天気予報の精度を上げるために、世界中で多くの人たちがこの瞬間にも努力している。大変だけれども、大切な研究だな、と思いました。)アンサンブル計算によるばらつきの情報をデータ同化に活かす

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