CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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※11 浮動小数点は、小数の位置を固定せずに数を表現する方法で、10進数の指数の表現のようになります。※12 単精度と倍精度は、二つの基本浮動小数点形式のことです。IEEE規格によれば、単精度形式は24bitの有効数字精度で、全体の大きさは32bit、倍精度形式は53bitの有効数字精度で、全体の大きさは64bitです。編集局:それで、データの情報量を減らす工夫として、浮動小数点※11や単八代:まず浮動小数点ですが、コンピュータの中の数字は(二進法なので)0と1でつくっています。たとえば整数だったら、0、1、0、1で、どんどん増やしていくと、数字が0からどんどん増えていきます。じゃ、実数はどうするか。「ナニ点ナニ」(たとえば123456.789)という数値をどうやって表すかというと、数字の「数」を表すところと「桁数」を表すところというのをつくってやって、「ナニ点ナニ×10の何乗」(上の場合なら1.23456789×105)というような形で表しています。小数点の位置が、この何乗という部分の情報によって動くから、浮動小数点なのです。固定小数点というのもあって、一番小さいのを決めてやって、そこからもう、桁数が変わらないような方法もあります。精度と倍精度※12などが出てくるのですね。(浮動小数点や倍精度が、スーパーコンピュータの計算における「鍵」の一部であるということは、予習して少しだけ知っていました。) 浮動小数点は、倍精度(64bit)なら、0と1を、64個を並べて表現できます。この桁数の多い方が、大きい数字を表すことができるし、小数点以下何桁まで表現できるかという幅が出ます。倍精度だと、だいたい(10進法の)16桁くらいまで表すことができます。単精度(32bit)だと、小数点の桁数が半分になって、8桁くらいまでしか表せない。 桁数が減った場合には、足し算、掛け算、割り算、引き算を繰り返したときに生じるずれが重要になります。ここ10年、20年くらいは、シミュレーションの結果をより確からしいものにするために、桁数多い方がいいということで、みな倍精度を使っていました。データの情報量を減らしても精度を落とさない工夫

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