CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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八代主任研究員には今後の展望についても話していただきました。編集局:八代さんは今後どの方向にこれを進めていかれるのですか。八代:一つには、この先の計算機というものが、本当にどうなるのかわから編集局:それはどういう意味ですか。八代:スーパーコンピュータの計算速度は今までと同じようなテンポで速くなっていかないだろうという予測がされるようになってきたということです。いろいろな問題があるのですが、まず電力的なことがあります。大きな方針転換をしない限り、これ以上性能を上げるには、電力をどんどん使うしかなくて、これ以上は電力不足になってしまうというところまできているのです。ですから、「富岳」の次に100倍の性能をもつ計算機を10年後につくりましょうといっても、もうこれ以上の電力を確保できないんですよ。そうすると、性能は100倍だけれども、電力は据え置きというような計算機をつくらないといけない。やるほうに集中して、速く計算したり、効率的に計算したりするのは、最近だと計算機専門の人に任せたりするのですが、それを両方わかってやる人は少ない、ということではないですか。ないという時代に入ってきていますので…。

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