CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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図3:南米の水資源量変化予測(mm/年/℃)。(a)複数モデルの平均(多数派)、(b)よりもっともらしい予測(少数派)。 外部因子に変動がなくても、気候システムは自然の揺らぎ(内部変動)をもっており、気候状態が変化します。たとえば、天気を変える低気圧、高気圧なども内部変動ですし、有名なエル・ニーニョなども内部変動です。これらの内部変動は、地球上に人間がいなくても存在するもので、ランダムに発生します。そのため温暖化していない世界でも、冷夏もあれば暑夏もあります(図4)。温暖化した世界でもランダムな内部変動によって偶然冷夏も起こりえますが、暑夏になる確率が上がります。この内部変動による将来予測の不確実性は、同じ排出シナリオ・同じ気候モデルで計算初期値の異なるシミュレーションを多数実施することで見積もることができます。 また現実の気候の実験と、仮に温暖化していない世界のシミュレーションを多数実施すれば、観測された近年の異常気象の発生確率を温暖化が何%変4.内部変動の不確実性

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