CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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専門は気象学。全球気候モデルを用いた数値シミュレーションにより数十~百年先の気候を予測する研究に取り組む。特に、予測における不確実性の理解と低減を目指している。 地球環境のシミュレーション研究において、モデル間相互比較プロジェクト(MIP)は広く行われています。本記事では、MIPの目指す目標として不確実性の定量化・理解・低減について解説しましたが、このほかにも様々な役割があります。例えば、全てのモデルに共通して見られるような信頼性の高い特徴を特定することも、重要な役割です。また、本記事ではCFMIPについて紹介しましたが、他にも、土地利用・土地被覆変化に注目したLUMIPや温暖化の影響評価に注目したISIMIPなど、研究テーマに応じて様々なMIPが実施されています。 地球環境研究センターニュースではシミュレーション研究の紹介記事が多く掲載されており、その中で “xxx MIP” という用語を目にすることがあろうかと思います。その時は、それぞれの分野で研究者がどのように不確実性の問題に取り組んでいるか、ぜひ注目していただければと思います。※地球環境研究センターニュース2019年1月号掲載04まとめ小倉 知夫 Ogura Tomoo地球環境研究センター気候モデリング・解析研究室 主任研究員現職:地球システム領域 気候モデリング・解析研究室長

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