CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
39/140

※8 国立環境研究所 環境儀85号 (2022) 「大気汚染と気候の複合問題への挑戦 数値シミュレーションを用いた高解像度予測の最前線」専門は大気化学�環境科学。全球から領域規模の大気エアロゾルや微量気体の時空間分布をシミュレーションできるモデルを開発している。 大気汚染物質シミュレーションは、世界中の様々な数値モデルによってなされており、このシリーズの第3回(P.17~P.24)でも述べられたような国際モデル相互比較も行われています。しかし、大気汚染のシミュレーションには不確実な部分が未だ多くあります。特に、大気汚染の気候影響に関する問題は国際的にも注目されています(例えば、環境儀85号※8)。NICAM-Chemは他のモデルでは実現できない高解像度のシミュレーション結果を提供し、他のモデルで推定された値との差を議論することができます。現在ではスーパーコンピュータ「富岳」を用いた更なる高解像度シミュレーションに取り組んでいます。私たちのチームは、世界中のモデルを組み合わせた中から共通点・相違点を明確にすることで、大気汚染物質の理解を深めて、より不確実性が小さい精度の高いシミュレーションを目指しています。※地球環境研究センターニュース2019年4月号掲載03まとめ五藤 大輔 Goto Daisuke地域環境研究センター大気環境モデリング研究室 主任研究員現職:地域環境保全領域大気モデリング研究室 主任研究員

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る