CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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※5 Nakayama, T. (2019) Development of process-based NICE model and simulation of ecosystem dynamics in the catchment of East Asia (Part V). CGER’s Supercomputer Monograph Report, 26, NIES, 122p.,https://cger.nies.go.jp/publications/report/i148/ja/ モデルにおける計算の安定性は誤差の伝搬(方程式が陽に解けない場合には方程式を離散化して数値計算で解くことになりますが、その際に厳密解ではないために誤差が発生してきます)と密接に関連しており、NICEのような複数のサブモデルから構成される複合モデルでは一般的に安定までの計算時間が長いので、誤差の伝搬も発生しやすくなります(逆の場合もあり)。そのため、このモデルの計算の安定性についての評価は解法スキーム(方程式を離散化して解く方法)とあわせておこなう必要があり、感度解析、不確実性のレンジ、バイアス補正などとあわせて検討しています。 このモデルのシミュレーションによって、日本や東アジア地域と周辺域の水や熱・物質循環および生態系へ及ぼす影響を評価してきました。近年は、図1:NICE-BGCを用いて解明した陸水が全球炭素収支に及ぼす影響(左上図)、および、現在進行中の全国一級河川流域へのダウンスケーリングによる高解像度モデル開発での相乗効果。

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