CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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(a)              (b)(c)                (d)図1:閉鎖性海域への気候変動影響プロセスと瀬戸内海の水質シミュレーション例。(a)閉鎖性海域への気候変動影響プロセス、(b)解析対象の瀬戸内海とその集水域、(c)全窒素(mg/L)の分布の予測例、(d)植物プランクトン(µg-Chl. a/L)の分布の予測例。 閉鎖性海域では、「なるべく空間は細かく、できるだけ時間は長く」といった予測情報が求められますが、その分計算時間と出力データ量が顕著に増えるため、CPUの計算時間やメモリ・ハードディスクの保存容量などの計算機の性能が制約になってきます。しかし、スーパーコンピュータ(以下、スパコン)の発展によってその制約は大幅に緩和され、シミュレーションが可能な空間分解能や予測期間は著しく向上しました。これまで必要だとわかっていてもできなかったこと、例えば、黒潮の蛇行の影響を見るために外洋にも領域を拡げて長期計算を行うといったことも可能になりました。 スパコンの発展は、シミュレーションの規模や計算速度だけでなく、入力データの量や質の向上にも貢献しています。上述したように、流動シミュレー03閉鎖性海域の環境予測へのスーパーコンピュータの貢献

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