CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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図2:TOP500の歴史。グラフは下から、HPLベンチマークで測定された500位のスパコンの演算性能、1位の演算性能、1位から500位までの性能を足し合わせた値。(出典:TOP500 site https://www.top500.org/statistics/perfdevel/)する、動作周波数を上げる、といった方法があります。このうち、配線の長さを短くする方法は同時に消費電力を削減するので、どんどん経済的かつ高性能になっていくので素晴らしいです。しかし、微細加工の技術はすぐに進化していくわけではなく、細かくなるにつれてますます困難になっていきます。今のCPUの配線の長さは数ナノメートル単位で、もう電子顕微鏡でないと見ることができない世界です。 動作周波数を変える方法はというと、周波数を上げると指数関数的に消費電力がどんどん増えていってしまうという問題があります。そのため、動作周波数の増大は2000年あたりを境に諦められてしまいました。その代わりに同じ「コア」をたくさん並べて同時に計算させることで、性能を向上させようという試みが主流になりました。皆さんのパソコンでも、20年前は「このCPUは何ギガHzですごい」といわれていたのですが、今は「何コア積んでる

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