CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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※2 「気候変動による影響の連鎖の可視化に成功-地球温暖化問題の全体像を人々が ※1 「世界のCO2収支 2020年版を公開 ~国際共同研究(グローバルカーボンプロジェクト)による評価~」https://www.nies.go.jp/whatsnew/20201211/20201211.html理解することに貢献-」https://www.nies.go.jp/whatsnew/20190228/20190228.html 2020年現在、人間活動による地球全体の年間の二酸化炭素排出量は400億トン程度と推定されています※1。これに対して、光合成によって陸域の植物などが大気中の二酸化炭素を吸収する量は年間125億トン、二酸化炭素が海洋に溶け込んで吸収される量は年間92億トンに過ぎず、人間が排出した二酸化炭素の46%は大気中に溜まっていくと見積もられています。これにより大気中の二酸化炭素濃度が増加し、地球温暖化が進行します。 地球温暖化によって、これまでに様々な問題が生じ、今後も生態系や社会に深刻な影響が及ぶと考えられています※2。このため、2015年に国際的に合意された「パリ協定」では、地球全体の平均的な地表気温変化を、産業革命前から2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすることが目標とされました。この目標を達成するためには、私たち人間の活動による温室効果ガス排出量を大きく削減する必要があります。 COVID-19のパンデミックにより、二酸化炭素排出量は2020年12月時点で前年から年間7%程度減少したと推定されています※1。パンデミックのために、世界中でひろく経済活動を止めたにもかかわらず、二酸化炭素排出量は01地球ー人間システムモデルの重要性横畠徳太地球と人類の将来地球ー人間システムモデルによる研究

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