CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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め、国立環境研究所のスーパーコンピュータを利用して研究を進めています。 MIROC-INTEG-LANDによって得られた結果を図2に示します。この実験では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書で使用された4通りの代表的濃度シナリオ(Representative Concentration Pathways: RCP)をモデルに与えることにより、計算を行いました。2100年時点での気温上昇が大きい順に、RCP8.5 (赤), RCP6.0 (黄), RCP4.5 (緑), RCP2.6 (青)と名前がついています。図2(a)は異なる5つの気候モデルによって計算された地表気温で、この研究ではモデルへの入力値として利用しています。 これらの入力を用いて計算した穀物の収量(単位面積当たりの収穫量, トン/ha)を図2(b)に示します。ここでは将来の穀物収量の変化として、技術発展に伴う収量増加を考慮しています。具体的には、過去の技術発展(肥料の利用など)に伴う収量の増加を参照して、将来予測の際のモデル化を行っ図1:陸域統合モデル MIROC-INTEG-LANDの構成図。気候(陸面)、水資源、陸域生態系、土地利用、作物成長のサブモデルと、サブモデルの間の変数交換を示しています。矢印が変数の交換で、矢印の横に交換する変数を示しています。気候・社会経済シナリオは、モデル外部からデータとして与えます。Yokohata et al. 2020※6に加筆。

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