CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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※8 横畠徳太ほか「永久凍土は地球温暖化で解けているのか? アラスカ調査レポート ※7 このような地球の大きな変化をもたらす要素をティッピング・エレメント、変化をもたらす閾値をティッピング・ポイントと呼びます。https://www.nature.com/articles/d41586-019-03595-0(現地観測編)」地球環境研究センターニュース2018年11月号横畠徳太ほか「永久凍土は地球温暖化で解けているのか? アラスカ調査レポート」地球環境研究センターニュース2017年10月号写真3:地下に永久凍土があることで網目状に地面が陥没するポリゴン(多角形土)。アラスカ・ノーススロープにて、2017年6月、朝日新聞社機より撮影。下で地球-人間システムのより長期的な変化を調べることも非常に重要です。 今後大きく変化することが予想される地球-人間システムの、長期的な安定性を調べるには、過去数千年の地球において起こらなかったような現象についても考慮する必要があります。地球温暖化が進むにつれ、地球システムにおけるいくつかの要素がある閾値を超える場合には温暖化をさらに加速させる可能性が指摘されています※7。 このような要素の一つとして注目されているのが、永久凍土の融解による温室効果ガスの放出です。北半球高緯度域に広く分布する永久凍土(写真3)には、大量の有機物が含まれています※8。地球温暖化に伴い永久凍土が融解

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