吸収源関連モデルの情報

DIMA

■ モデル概要

 DIMAは、植林活動等による土地利用転換とそれに伴う吸収源の変化を経済的な視点から検討し、地球温暖化への影響を分析することを目的としてIIASAで開発されたモデルである。

 DIMAでは、まずNPPや社会経済データを基に植林適地(つまり、樹木の生育が可能で、食糧安全保障を危うくしない非森林地域)を選択する。この時、地域を50km×50kmグリッドに分割して検討を行い、生産性の非常に高い地域や高人口密度地域、標高の高い地域、正味炭素吸収の無い地域等が植林適地から除かれる。

 次に、各グリッドの純一次生産量、農業適正度、木材価格、土地価格、植林コスト、木材生産物への炭素蓄積量等に基づき、炭素固定コストを算出し、低コスト地域の分布を検討する。炭素価格が炭素固定コストを超過したグリッドのみに植林が生じるとみなし、該当グリッドを集約することによって累積的な炭素固定費用曲線を取得する。さらに、全球を対象として炭素コスト及び潜在成長力の地理的分布を特定する。

 植林が行われるか否かの判断は、現在の農業の実施に対しての植林の収益性を考慮することにより、グリッドごとに定められる。例えば、炭素固定に対する報酬を含む森林の正味現価は、農業の正味現価と等しいかもしくは大きくなるように要求されている。

 以上の検討により、想定した政策シナリオに対するグリッドレベルでのバイオマス量、木材製品生産量、バイオマスエネルギー転換量、炭素固定量、植林面積・伐採面積等の将来予測が可能となる。

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■ 入出力パラメータ

(入力パラメータ)
  DIMAの入力パラメータは、土地利用データ、生態データ、経済データに大別される。土地利用パラメータを表m4-1に、生態パラメータを表m4-2に、経済パラメータを表m4-3にそれぞれまとめる。


入力パラメータ表へ

(出力パラメータ)
  表m4-4に、DIMAの出力パラメータを整理する。森林及び木材生産物への炭素蓄積量、植林面積等が算出される。

出力パラメータ表へ

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