吸収源関連モデルの情報

 ここでは、国立環境研究所で開発された陸域炭素収支モデル「TsuBiMo-Economica」を始めとする吸収源関連モデルの概要、入出力パラメータについて解説します。

 ここで取り上げるモデルは、以下の通りです。

 TsuBiMo-Economica

 国立環境研究所で開発された陸域炭素収支モデルです。生態、気象に関するメッシュデータと、各種経済データから、対象地域のNPP算出、炭素蓄積変化予測、そして木材製品も含めた森林全体の炭素収益の変化を予測します。

 FASOM

 Bruce A. McCarl他によって開発された、農業、林業の2つの産業部門の動態を記述する一般均衡モデルです。両部門における経済活動によって生じる土地利用変化と、それに伴う炭素収支の変化を予測します。

 EPIC

 USDAで開発された、土壌浸食と農業生産の関係を分析するモデルです。気象データ、土壌データ、農業管理データ等から、水・炭素・窒素循環、農業生産、水門侵食作用等をシミュレーションすることが可能です。

 DIMA

 IIASAで開発された、経済的な視点から陸域の炭素固定量変化を予測するモデルです。炭素吸収量のメッシュデータ、各種経済統計データから、対象地域の植林面積、炭素固定量等の動向を予測します。

 DNDC

 農業生態系における炭素、窒素の挙動を表現する物質循環モデルです。地点レベル及び地域レベルの両モードにおいて、炭素・窒素蓄積量やフラックス、農業生産等を予測します。

 AROPAj

 INRAで開発された農業経済モデルです。行政区分ごとの地域データをベースに、農業政策が農業生産量や農家の所得等に与える影響を分析します。

 PICUS

 BOKUで開発された森林モデルです。10m四方のパッチを要素としているため、立木レベルでの検討が可能です。

 Full CAM

 豪州における温暖化対策機関である、AGO(Australian Greenhouse Office)が開発した、統合型の炭素吸収量評価モデルです。豪州では、国レベルの土地利用・被覆変化に伴う炭素収支の計算に、同モデルを採用しています。

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