2014年1月号 [Vol.24 No.10] 通巻第278号 201401_278013

酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 1 京都議定書 —3R・低炭素社会検定より—

地球環境研究センターニュース編集局

【連載】酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 一覧ページへ

3R・低炭素社会検定は、持続可能な社会の実現のため、3Rや低炭素社会に関する知識を活かして、実践行動を行う人を育てることを目的としています。【3R・低炭素社会検定 低炭素社会分野試験問題解説集「はしがき」より】

検定試験問題から出題します。

問1 京都議定書の第一約束期間について、最も適切なものはどれか?

中級レベル

正答率 83%

  • 1990年
  • 2008年〜2012年
  • 2013年〜2020年
  • 1990年〜2012年
ヒント
京都議定書は199◯年に京都で開催されたCOP3で採択されました。
答えと解説

答え: ② 2008年〜2012年

京都議定書では2008年〜2012年を第一約束期間と定め、この5年間において温室効果ガス排出量を目標値以下にすることを先進各国に義務づけています。

追加的視点2011年に南アフリカ・ダーバンで開催されたCOP17では、京都議定書を延長して第二約束期間を設けることを決定しました。その翌年のCOP18において、2013年〜2020年を京都議定書の第二約束期間とすることが決定しました。第二約束期間に参加している国は、EU、スイス、ノルウェー、オーストラリアなどであり、日本、ロシアなどは参加していません。また、2012年にはカナダの京都議定書からの離脱が正式に決定し、第一約束期間も削減目標を負わないこととなりました。

問2 日本の京都議定書の第一約束期間における目標値として、最も適切なものはどれか?

初級レベル

正答率 88%

  • 0%
  • −6%
  • −25%
  • −80%
ヒント
「チーム・マイナス◯%」というキャンペーンが、かつてありました。
答えと解説

答え: ② −6%

日本の京都議定書の第一約束期間における削減目標値は、基準年排出量からマイナス6%の削減が求められております。京都議定書の最後にAnnex B(附属書B)という別添があり、その一覧には、「締約国が基準となる年に乗ずるパーセンテージ」とあり、日本の箇所には「Japan 94」と記載されております。つまり、基準となる年(基準年)に0.94を掛けた値が、日本が排出してよい量(割当量)であるため、結果、基準年からみると排出量を6%減らさなければならないということになります。これが京都議定書第一約束期間で日本が目標とする削減の−6%を指しております。

このAnnex Bの中で、例えば、「Switzerland 92」とあるのはスイスの約束期間排出量が基準年比−8%の目標値であることを意味し、「New Zealand 100」はニュージーランドの約束期間排出量が基準年比0%(基準年排出量より増加させない)であることを意味しております。

  • *正答率は第5回3R・低炭素社会検定受験者のものです
  • 出典:3R・低炭素社会検定(http://www.3r-teitanso.jp)低炭素社会分野試験問題解説集

目次:2014年1月号 [Vol.24 No.10] 通巻第278号

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