2020年2月号 [Vol.30 No.11] 通巻第350号 202002_350007
観測現場発季節のたより 17 秋の陸別〜一足先に感じる冬の関東〜
地球環境研究センターでは温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)及びその後継機であるGOSAT-2のプロダクトの雲やエアロゾルによる影響を評価するために、北海道陸別町、佐賀市、ブルゴス(フィリピン)、ローダー(ニュージーランド)でライダー[注]を用いた雲やエアロゾルの高度分布の観測を行っています。この陸別のライダーの定期メンテナンスのため、2019年10月28日から11月1日にかけて北海道足寄郡陸別町にある銀河の森天文台(りくべつ宇宙地球科学館)の「陸別成層圏総合観測室」を訪れました。
これまでに2回(1月と3月)ライダーのメンテナンスで訪れたときは雪が積もっており、気温も−20°C以下になるなど日本一寒い町を実感できる寒さでした。今回は紅葉が終わりかけで、日中の気温が12°C近くになり、真夜中から朝方の気温は0°C以下になるなど冬の関東に近い季節であると感じました。
訪れた5日間のうち3日間は天候に恵まれたおかげでライダーを十分に調整することができました。また、少し肌寒かったですが劣化した箇所の補強やコードヒーターの設置等の屋外作業を行うこともでき、問題なくライダー観測を再開できました。冬の関東のような秋の陸別は、寒すぎず雪もないため作業をしやすい季節でした。
脚注
- ライダー:レーザー光を使って、離れたところにある物質の距離と量、状態に関する情報を得る機器。