フェノロジー観測のためのデジタルカメラの利用
デジタルカメラによるカラー画像を用いて植物のフェノロジー[1]を調べた。環境省インターネット自然研究所[2]が公開している国内9カ所の国立公園における8年間の毎日の画像を解析した。画像中の植生部分の光の3成分(赤・緑・青)の値から、特に植生が有する緑の量を表す指標を算出し、群落や樹種ごとのフェノロジーの変動を数値化した。台風による植生被害の検出、多年度多地点での開葉日の推定に有効であった。この手法は、安価で簡便なうえに精度が高く、今後、デジタルカメラのネットワーク化に伴い、フェノロジーの広域観測への応用が期待される。
Ide R., Oguma H. (2010) Use of digital cameras for phenological observations. Ecol. Inform., 5, 5, 339-347, doi:10.1016/j.ecoinf.2010.07.002