「海洋酸性化がわが国周辺の生物に与える影響を評価する」一般向け研究成果報告会のお知らせ

国立環境研究所では、環境省環境研究総合推進費の課題として、海洋酸性化が海洋生物に及ぼす影響の研究を進めてまいりました。今回、環境研究総合推進費課題(平成24–26年度「海洋生物が受ける温暖化と海洋酸性化の複合影響の実験的研究」)の終了を前にして、一般の方を対象に成果を報告します。

本報告会では、海水の二酸化炭素濃度を近未来に起こりうる濃度に高めた環境下で沿岸性の生物を飼育する実験を行って海洋酸性化の影響を実験的に評価した研究の成果を主に発表します。加えて、温暖化との複合影響の評価、同時に科研費で開始した海洋生態系への酸性化影響を評価する課題の成果や計画を含めて報告します。

なお、参加申込の必要はございませんが、会場の定員に制限があることをご了解願います。

開催日:
平成27年2月21日(土)
開催場所:
TKP市ヶ谷カンファレンスセンター6A(新宿区市谷八幡町8番地TKP市ヶ谷ビル)
http://tkpichigaya.net/access.shtml
主催:
環境研究総合推進費2A-1203課題
共催:
環境省、独立行政法人国立環境研究所

プログラム

13:00–13:15 海洋酸性化の生物影響に関する国内共同研究課題の連携

野尻幸宏(国立環境研究所)

1. 亜熱帯生態系とサンゴ
13:15–13:35 我が国沿岸のサンゴの分布域—歴史的考察とモニタリング—

山野博哉(国立環境研究所)

13:35–13:55 沖縄周辺のサンゴ礁生態系に対するさまざまなリスク要因とその現状—将来リスクとしての海洋酸性化—

酒井一彦(琉球大学)

13:55–14:10 サンゴの遺伝的多様性と海洋酸性化影響

井口亮(沖縄高専)

14:10–14:25 北上種は温暖化と海洋酸性化で今後どうなるか?

鈴木淳(産業技術総合研究所)

14:25–14:45 亜熱帯性有孔虫の生態と酸性化影響

藤田和彦(琉球大学)

2. 温帯・亜寒帯生態系
15:05–15:25 植物プランクトン生産への温暖化・海洋酸性化影響の実験的評価

芳村毅(電力中央研究所)

15:25–15:40 無脊椎動物への海洋酸性化影響

諏訪僚太(海洋生物環境研究所)

15:40–15:55 貝類の海洋酸性化影響評価実験

小埜恒夫(水産総合研究センター)

15:55–16:10 魚類への海洋酸性化影響評価のこれまでと将来展開

林正裕(海洋生物環境研究所)

16:10–16:30 魚類の再生産への海洋酸性化影響評価実験

山本雄三(海洋生物環境研究所)

3. 海洋酸性化と化学・物理プロセス
16:30–16:45 石灰化機構と海洋酸性化

井上麻夕里(岡山大)

16:45–17:00 海洋の将来変化と海洋酸性化

石田明生(常葉大)

4. まとめ
17:00–17:10 成果のまとめと今後の計画

野尻幸宏(国立環境研究所)

17:10–17:30 質疑応答