2012年5月号 [Vol.23 No.2] 通巻第258号 201205_258005

「春の環境講座」を開催しました

地球環境研究センター 交流推進係

4月21日(土)に、科学技術週間に伴う国立環境研究所一般公開「春の環境講座」を開催しました。当日は肌寒い天候となりましたが、570名の方々にお越しいただきました。地球温暖化研究棟にも多くの方々に足を運んでいただきました。

地球環境研究センターでは、講演会「ココが知りたい温暖化」と地球温暖化に関連するパネル・測器や模型等の展示を行いました。

講演会「ココが知りたい温暖化」
植物による二酸化炭素(CO2)吸収量の測定方法や国立環境研究所が実施している森林生態系モニタリングについて説明しました。また、気候変動枠組条約締約国会議(COP)など地球温暖化問題に関する国際会議における国際交渉について解説しました。さらに、環境にやさしい家電機器の買い替えのタイミングをどのように判断したらいいかという身近なテーマも取り上げました。講演会は、立ち見が出るほどの盛況でした。講演概要は次号以降、本誌でご紹介します。
サンゴが教える海の温暖化
生物・生態系環境研究センターの協力を得て、今回、一般公開では初めて、サンゴなどの海洋生物に着目した温暖化影響モニタリング(地球環境モニタリング事業のひとつ)の調査機器を展示し、実際の調査方法についてご紹介しました。調査地とサンゴ分布の北上についてパネルで説明し、サンゴ骨格を顕微鏡で観察するなどさまざまな展示を行いました。また、3m × 3mの範囲を囲い、実際に調査をしているスケールのなかにダイビング器材を展示し、実物写真を置き、写真撮影を体験していただきました(写真1)。
photo. サンゴが教える海の温暖化

写真1サンゴが教える海の温暖化:サンゴに着目した温暖化モニタリング調査について紹介

森の呼吸を測る
光をあてて植物の呼吸や光合成に関する実験を行いました(写真2)。測定方法につきましては、「ココが知りたい温暖化」講演会で詳しく説明いたしました。
photo. 森の呼吸を測る

写真2森の呼吸を測る:光をあてて植物がCO2を吸収している様子を紹介

宇宙や空から温室効果ガスを測る
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」から見たCO2とメタン(CH4)の月別の濃度変化などを球面ディスプレイ上で紹介しました。このほか、実際に民間航空機に搭載している観測機器を展示し、航空機を利用した広域にわたる温室効果ガスの観測方法を紹介しました。
自転車de発電
企画部との協力のもと、家電製品に必要なエネルギーを自転車発電で体験していただきました。テレビや電球を数種類用意し、消費電力の違いにより自転車を漕ぐ力が変わることを感じていただけたと思います。
節電で減らせる!CO2
社会環境システム研究センターと共同で行ったこの企画はいつも好評です。私たち日本人が他の国と比べて一人あたりどのくらいCO2を出しているか、棒グラフの模型で立体的に表示しました。また、家電製品をエコなものに買い替えるとどのくらいCO2を減らせるか展示しました。

実際の観測機器や模型の展示、体験型の企画をとおして、地球環境研究センターの研究内容や地球温暖化について理解を深めていただけたと思います。また、最新の研究・事業内容や成果を紹介するパネルの展示では、研究者に熱心に質問する方が多く見られ、環境問題への関心の高さがうかがえました。

ご来場いただいたみなさまに、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。7月21日(土)には研究所全体を紹介する「夏の大公開」を開催いたします。みなさまのご来所をお待ちしております。

ご意見、ご感想をお待ちしています。メール、またはFAXでお送りください。

地球環境研究センター ニュース編集局
www-cger(at)nies(dot)go(dot)jp
FAX: 029-858-2645

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