2016年5月号 [Vol.27 No.2] 通巻第305号 201605_305005
酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 27 地球温暖化の影響 —3R・低炭素社会検定より—
3R・低炭素社会検定は、持続可能な社会の実現のため、3Rや低炭素社会に関する知識を活かして、実践行動を行う人を育てることを目的としています。【3R・低炭素社会検定 低炭素社会分野試験問題解説集「はしがき」より】
検定試験問題から出題します。
問79北極海の海氷面積は、毎年9月に最小となる。2012年は海氷の面積が観測史上もっと小さくなった。1980年代の海氷面積と比べた表現で、最も適切なものはどれか?
上級レベル
正答率 16%
- ①約5%減
- ②約10%減
- ③約20%減
- ④約50%減
- ヒント
- 問題の正答率が低いように、かなり驚きのデータが出ています。
- 答えと解説
-
答え: ④
北極海の海氷面積の年最小値のデータは気象庁のウェブサイトで確認することができます。1980年代の年最小値の多くは700〜750万km2でした。その値は1979年以降、減少傾向にあります。とりわけ、2012年は336万km2と80年代の約半分となり、観測史上最も小さくなった年となりました。
- *正答率は第6回3R・低炭素社会検定受験者のものです
問80IPCC第5次報告書では、気候変動による将来的リスクについて、8つの分野について予測をしている。その説明として、最も不適切なものはどれか?
中級レベル
正答率 77%
- ①海面上昇、沿岸での高潮被害などによるリスク
- ②極端な気象現象によるインフラ等の機能停止のリスク
- ③水資源不足と農業生産減少による農村部の生計及び所得損失のリスク
- ④都市部の気温上昇による都市の人口減少のリスク
- ヒント
- 飲料水や灌漑用水の不足による半乾燥地域の農村部における所得損失の可能性についても示されています。
- 答えと解説
-
答え: ④
IPCC第5次報告書では、気候変動による将来的リスクについて、下記の8つの分野について予測をしています。(1) 海面上昇、沿岸での高潮被害などによるリスク、(2) 大都市への洪水におる被害、(3) 極端な気象現象によるインフラ等の機能停止、(4) 熱波による死亡・疾病、(5) 気温上昇、干ばつ等による食料への影響、(6) 水資源不足と農業生産減少による影響、(7) 海洋生態系の損失、(8) 陸波及び内水生態系がもたらすサービスの損失。
「都市部の気温上昇による都市の人口減少のリスク」については予測されていません。
- *正答率は第7回3R・低炭素社会検定受験者のものです
- 出典:3R・低炭素社会検定(http://www.3r-teitanso.jp)低炭素社会分野試験問題解説集