![]() CDM・吸収源プロジェクトの基礎知識 |
|||||||||||||||||||
CDMプロジェクトの流れ CDMプロジェクトは、主に以下に示すながれにのってすすめられることが想定されています。これらのながれは、現在気候変動枠組条約締約国会議(COP)や補助機関会合(SB)で議論されており、COP7において正式な手続きとして合意されることが望まれています。
(1)プロジェクト計画の策定 プロジェクト実施者は、プロジェクト計画時に1)プロジェクトの実施によるGHG排出削減量又は吸収強化量(計画時点の推定値)とその推定方法、2)GHG排出量(吸収量)のモニタリング手法、及びその体制を明らかにする必要があります。そのためには、プロジェクトバウンダリーの確定、ベースラインシナリオの決定等、さまざまな技術的な作業を実施することになります。このステップに関しては、“CDM吸収源プロジェクトの作業ステップ”に詳しく説明します。 (2)評価と登録 「評価(Validation)」は、プロジェクト活動がCDMとして適切であるか否かを、プロジェクト計画の内容から、運営機関が評価するプロセスです。評価の要件には、CDMプロジェクトに関係するホスト国と投資国の承認が得られているかどうか、ベースラインの設定が適切かどうか、モニタリング計画が妥当かどうか、等の項目が考えられています。 (3)実施/モニタリング プロジェクト実施者は、プロジェクトの実施中に、プロジェクト計画書に示した「モニタリング計画」に従って、プロジェクト及びベースラインの排出量または吸収量をモニタリングする必要があります。また、プロジェクトバウンダリー内の排出量または吸収量をモニタリングすることに加えて、プロジェクトに起因するバウンダリー外の排出または吸収に関係する活動もモニタリングする必要があります。現段階のCOP等における交渉ペーパーには、特に林業分野において重要と考えられている“リーケージ”に関しても、何らかの形で考慮する必要性が記されています。 (4)検証/認証 プロジェクト実施者が、CDMプロジェクトのパフォーマンスをモニタリングして得られた排出削減量または吸収強化量は、第三者機関により検証(Verification)される必要があります。運営機関はこの「検証」を実施する役割を担いますが、このプロセスはプロジェクトが実際に達成した排出削減量または吸収強化量を確認するものであるため非常に重要であり、運営機関は技術的な能力が要求されます。「認証(Certification)」とは、運営機関が検証した排出削減量または吸収強化量を文章の形で証明する行為です。 (5)交付 運用機関により検証/認証されたCER(認証排出削減量)は、理事会に「CER交付請求」の報告書として提出されます。CERは、適応基金等に利益の一部(CERの2%)を支払った後に、プロジェクト実施者に対して交付されます。 |
Copyright(C) Center for Global Environmental Research.
|