2013年5月号 [Vol.24 No.2] 通巻第270号 201305_270001

就任のご挨拶

地球環境研究センター長 向井人史

photo. 向井センター長

地球環境研究センターは、国立環境研究所の中に1990年に発足し、地球環境問題を中心とする課題に対して、先進的な地球環境モニタリング事業や研究の総合化を推進するべく活動を続けています。2001年度以降は、地球温暖化研究プログラムの開始により、グローバルな観測に加え、組織的にも温暖化の影響や対策に関する研究者を集めて、地球温暖化問題に総合的に取り組んでまいりました。その間、観測に関しては温室効果ガスの地上観測局が設置20年を迎え、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの長期的観測を順調に実施してきました。また温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の打ち上げに成功し、宇宙から地球全体の二酸化炭素を見るという規模の大きな観測も始まっています。一方、京都議定書の第一約束期間後の世界的な動きの中で、より一層低炭素社会にむけた日本のあり方に対する関心が増加しました。

2011年度からは5年間の第3期中期計画の下、「地球環境の現況の把握とその変動要因の解明、それに基づく地球環境変動の将来予測及び地球環境変動に伴う影響リスクの評価、並びに地球環境保全のための対策に関する調査・研究を実施する」という観点から幅広い研究活動やモニタリング事業を行っています。地球温暖化の影響評価や適応策・緩和策、低炭素社会づくりなどに関しては、社会環境システム研究センターとの連携を図りつつ実施しています。また基礎研究から課題対応型研究までを一体的に推進するために、経常的基礎研究やセンター内でのプロジェクト研究にも積極的に取り組み、現実的な課題対応のための国内・国際的事務局機能もあわせもちながら、複合的な研究活動を行っていくこと目指しています。今年度は中期計画の3年目を迎えて、より一層充実した研究が行えるようにセンター一丸となって努力していく所存です。

地球環境研究センターは、地球環境問題に関する研究の一層の推進やその成果の発信を充実させ、環境政策の根拠となる科学的知見を提供することによって社会の要請に応えられるよう、これからも活動を展開してまいります。 今後とも、皆様のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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