地球温暖化研究プログラムトップページ > 中核研究プロジェクト1トップページ > 平成20年度-21年度の成果の紹介
ここでは、航空機や船舶、そして地上におけるアジア太平洋地域の大気観測をしています。 波照間や落石ステーションにおける大気の酸素濃度変化を基にCO2の収支を求めています。これらの仮定をもとに、海洋へのCO2取り込み量が約2Pgであることが推定されました。CO2の陸域の吸収量変動は大きいものの現在はまだ吸収が持続しているようです。 CO2以外の温室効果ガスとして重要なメタンの最近の濃度上昇が船舶観測で検出されています。アジアの観測も強化され、中国からの影響なども波照間ステーションでは見え始めています。 これまでデータのなかったインドや鉛直分布の調査も進んでいて、全球的なCO2の動きが調査されています。
陸域の二酸化炭素吸収量は、そこの植生や、土壌有機物の蓄積量,年々の気象条件の違いなどなどにより大きく変動します。富士北麓の森林フラックスデータを解析しその挙動を研究しています。同時に、ネットワークとして行われている中国、韓国、日本のサイトでの年変動のパターンの地理的違いなども共同して調べています。 一方では、実験的に土壌を加熱し温暖化を人工的に引き起こした場合の、土壌有機物の分解速度の変化を、自然に近い状態で観測する野外実験が開始されています。
北太平洋の長期的な吸収量変動を調査している。吸収量は全体的には徐々に増加がみられるが、北太平洋の西側での吸収量の相対的な増加と、東側での相対的な減少が見られた。 この原因について検討を行っている。
新たに開発された結合型の濃度シミュレーションモデルにより、詳細な時系列データへの適用性が向上した。これを用いてインバースモデル化によりCO2などの発生源の強度分布解析を行っていく。
メタンのグローバルな濃度増加解析や酸素、同位体、14C、COなどの解析を進めている。