スーパーコンピュータの利用

English

NEC SX-8R/128M16 スーパーコンピュータ(NEC SX-8R/128M16)

人間活動が地球の許容量を超え、取り返しのできない変動をもたらす可能性があり、それを前もって予測する事が重要です。そこで地球環境の変動メカニズムを研究し、それらを数値的な予測モデルにまとめ、計算実験をしてみる必要があります。地球環境研究センターでは、地球環境予測モデルなどの研究を支援する目的で、環境情報センターと協力して、スーパーコンピュータを整備し、所内外の地球環境研究者に提供しています。

スーパーコンピュータの仕様

CPU数 128 CPU(8 CPU/ノード, 計16ノード)
最大ベクトル演算性能 4 TFLOPS
主記憶容量 64 GB × 8ノード, 128 GB × 8ノード
ノード間接続装置転送性能 16 GB/s(双方向)
OS SUPER-UX
言語 FORTRAN90/SX, OpenMP Fortran, C++/SX, OpenMP C/C++, MPI/SX, MPI2/SX, HPF/SX v2
ライブラリ ASL, Mathkeisan
性能解析ツール Vampir

スーパーコンピュータは、地球規模での環境変化に関する現象解明や予測などを行うために、1991年度に第1号機を導入し、2007年3月に第4号機に更新しました。

現在のコンピュータシステムは、ベクトル演算処理を超高速で行うベクトル処理用計算機(NEC SX-8R/128M16)を中心とした分散型のシステムです。 システムの中心となっているベクトル処理用計算機は、地球環境シミュレーションなどの大規模計算に必要な超高速ベクトル演算能力と大容量メモリを有しています。また、スカラー処理用計算機(Express5800-120Ri-2 (Intel Xeon Dual-Core 5160 3GHz) × 22)や実効容量300TBの大容量ファイルシステムなども導入して多様な計算ニーズや膨大な演算結果の保存に対応しています。これらのシステムは各研究棟を結ぶ所内ネットワーク(1Gbps)を通じて利用可能となっており、大容量のデータ転送にも応えられるよう、複数回線を束ねることで回線速度を高めることが可能な構成となっています。また、超高速な研究ネットワークであるつくばWANに1Gbps × 5回線により接続され、外部との膨大なデータ転送にも対応した利用環境を実現しています。

利用研究

スーパーコンピュータの運用研究課題は、所内外の専門家からなる「研究利用専門委員会」の意見を反映させて採択しています。平成23年度には、12課題で利用されています。

また、本システムを利用した地球環境研究の幅広い紹介、利用者間の情報交換などを目的として、研究成果をCGER’S SUPERCOMPUTER ACTIVITY REPORT(年報)およびMONOGRAPH REPORTとして刊行しています。

ACTIVITY REPORT(年報)

2010 PDF, 10.9 MB
2009 PDF, 19.0 MB
2008 PDF, 10.3 MB
2007 PDF, 7.9 MB
2006 PDF, 5.6 MB
Vol.14 PDF, 7.8 MB
Vol.13 PDF, 37.8 MB
Vol.12 PDF, 9.6 MB
Vol.11 PDF, 5.6 MB
Vol.10 ZIP, 21.9 MB
Vol.9 ZIP, 6.1 MB
Vol.8 ZIP, 6.8 MB
Vol.7 ZIP, 7.0 MB
Vol.6 ZIP, 4.1 MB
Vol.5 ZIP, 3.2 MB
Vol.4 ZIP, 2.2 MB
Vol.3 ZIP, 2.3 MB
Vol.2 ZIP, 2.8 MB
Vol.1 ZIP, 4.5 MB

MONOGRAPH REPORT

Vol.18 PDF, 9.7 MB
Vol.17 PDF, 20.0 MB
Vol.16 PDF, 10.9 MB
Vol.15 PDF, 2.2 MB
Vol.14 PDF, 6.1 MB
Vol.13 PDF, 14.8 MB
Vol.12 PDF, 4.1 MB
Vol.11 PDF, 15.0 MB
Vol.10 PDF, 5.6 MB
Vol.9 PDF, 1.5 MB
Vol.8 ZIP, 12.7 MB
Vol.7 ZIP, 9.2 MB
Vol.6 ZIP,7.4 MB
Vol.5 ZIP, 4.2 MB
Vol.4 ZIP, 8.4 MB
Vol.3 ZIP, 3.9 MB
Vol.2 ZIP, 3.0 MB
Vol.1 ZIP, 3.0 MB

平成23年度スーパーコンピュータ研究課題および代表者(12課題)

1 大気輸送モデルとインバースモデルによる温室効果ガス収支量の推定とその高精度化に関する研究 Shamil MAKSYUTOV
(国立環境研究所)
2 全球気候モデルMIROCの陸域過程の精緻化及びそれを用いた大気陸面相互作用の研究 花崎 直太
(国立環境研究所)
3 GOSATデータ処理運用システムの定常運用および維持改訂 渡辺 宏
(国立環境研究所)
4 成層圏オゾン層の長期変動とその成層圏–対流圏気候への影響に関する研究 秋吉 英治
(国立環境研究所)
5 長期気候変動予測と近未来気候変動予測に関わる不確実性の理解と制約 塩竃 秀夫
(国立環境研究所)
6 広域大気汚染物質の発生源別寄与率解析と気候影響評価 永島 達也
(国立環境研究所)
7 大気海洋間の気液界面を通しての運動量とスカラの輸送に及ぼす風波と降雨の影響 小森 悟
(京都大学)
8 相互比較を通した大気場およびオゾン関連化学種の同化実験 柴田 清孝
(気象研究所)
9 NICAMによる雲降水システムの研究 佐藤 正樹
(東京大学)
10 CAI衛星解析とモデルシミュレーションの統合システムの構築 中島 映至
(東京大学)
11 MIROC中解像度版および氷床力学モデルと炭素循環モデルを用いた古気候数値実験と温暖化予測 阿部 彩子
(東京大学)
12 非静力対流モデルを用いた湿潤大気構造の太陽定数依存性に関するパラメータ実験 林 祥介
(神戸大学)

平成23年8月9日現在

過去の研究課題

スーパーコンピュータの利用について

国立環境研究所スーパーコンピュータは、毎年実施される公募に応募し、審査を経て採択された研究課題の課題メンバーのみが利用できます。

平成24年度国立環境研究所スーパーコンピュータシステム利用研究の募集について(2011年12月8日掲載)[今回の募集は終了しました]

スーパーコンピュータ利用研究報告会

スーパーコンピュータの利用研究課題は、毎年秋に開催されるスーパーコンピュータ利用研究報告会にて中間報告並びに事後報告を行っています。この報告会は全国の利用研究者間の貴重な情報交換の場でもあり、毎年多くの方々にご参加いただいております。以下に、終了した利用研究報告会のプログラムと発表要旨および発表資料(発表者より希望があった課題のみ)を掲載しています。

研究成果の一例

いろいろな排出シナリオ*に基づいた将来の地球温暖化予測実験結果

図1 地表気温の変化 図1 地表気温の変化

図2 降水量の変化 図2 降水量の変化

化石燃料の消費や森林伐採による二酸化炭素の増大は気候変動をもたらし、大気中の二酸化炭素が増えています。その結果として起こるだろうと思われる地球温暖化の大きさを予測する事が必要です。そのために緯度経度・高度を細かく格子状に区切り、その間のエネルギーや物質の移動を計算しますが、100年後を予測するにはスーパーコンピュータで長時間計算をする必要があります。

成果の一部である地球温暖化の将来見通しに関する温暖化予測実験結果などは、地球温暖化の科学的知見を集約したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第3次評価報告書にも引用されています。

下図は2100年までの地表気温(図1)および降水量(図2)がどのように変化するかを気候モデル**を用いて計算した結果です。2100年には、現在と比較して、地表気温は3.3〜5.5°C上昇し、降水量は6.8~8.5%増加すると推定されます。2100年頃における気候変化の地理分布(現在からの変化量)は、多少の違いはありますが、どのシナリオでも類似しており、北半球高緯度の陸上で気温上昇が大きく、降水は熱帯と高緯度で増加し、亜熱帯の乾燥域で減少する、といった特徴があります。

(データ提供:大気圏環境研究領域 野沢徹)

* 排出シナリオ
社会経済的な条件から二酸化炭素などの排出量を予測したシナリオ
** 気候モデル
大気と海洋の運動、陸面を含めた熱や水の交換などを表す物理法則をスーパーコンピュータ上で近似計算する数値モデル